- 台湾の大学に留学した人が全民健康保険(健保)に入れるのは、台湾に来てから半年後です。それまでは、入学の決まりで入る医療保険で過ごします(多くの大学が手続きを手伝っています)
- その半年のあいだに台湾を出てよいのは1回、30日までです。出国していた日数の分だけ、健保に入れる日が後ろにずれます
- 30日は「台湾に戻った日の日付 − 台湾を出た日の日付」で数えます。12月28日に出たなら、1月27日までに戻れば30日以内です
- 迷ったら、出国日から29日後の日までに台湾へ戻る便を取ってください。記事の中の計算ツールに出国日を入れると、戻る日と健保に入れる日がすぐ分かります
この秋に台湾の大学へ入学した生徒から、同じ質問がいくつも届いています。
「健保に入るまでの半年、30日以内なら一時帰国していいと聞きました。その30日は、出国した日から数えるんですか。台湾に戻った日から数えるんですか」
学生同士で話しても、答えが分かれているそうです。冬休みに日本へ帰る予定を立てる時期なので、ここで数え方を間違えると、健保に入れる日が半年近く遅れることがあります。
台湾の衛生福利部中央健康保険署(健保署)の資料に計算例が載っているので、それをもとに答えます。
健保に入れるのは、台湾に来てから半年後です
台湾の全民健康保険は、台湾に住む人が全員入る公的な医療保険です。日本の健康保険と同じように、保険証(健保カード)を出せば病院の窓口で払うお金が少なくなります。
留学生も入れます。条件は、居留証(台湾に住む外国人が持つ身分証)を持っていて、台湾に半年住んだことです。全民健康保險法の第9条に書かれています。台湾で雇われて働いている人はすぐに入れますが、大学を通して入る留学生は半年待つことになります。留学生でも、許可を得て台湾で雇われて働く場合は、雇われた日から勤め先を通して入ります。
数え方は、健保署の留学生向けの案内に例があります。
- 9月1日に台湾に入国して、一度も出国しなかった人は、翌年の3月1日から健保に入れます
学生のあいだでは「180日ルール」と呼ばれますが、法律の条件は「6か月」で、日数ではなく月で数えます。9月1日に入国したなら、180日後の2月28日ではなく3月1日です。
数え始める日は、日本で居留ビザを取ってから入国した人なら、入国した日です。国立台湾大学の留学生向けの案内にも、そう書かれています。就学目的の停留ビザで入国して、台湾で居留証を申請した場合は、居留証を受け取った日から数えます。弊社の生徒は日本で居留ビザを取ってから入国するので、入国した日から数えると考えてください。
健保に入るまでは、別の医療保険で過ごします。台湾の外国人留学生の入学の決まりで、新入生は入国した日から半年以上の医療保険に入ることになっていて、多くの大学が留学生向けの保険の手続きを手伝っています。
健保に入るときは、通っている大学を通して入ります。保険料は月826台湾ドルです。国立暨南国際大学の案内では、1学期ごとに半年分の4,956台湾ドルを大学に払います。
30日は「台湾に戻った日 − 台湾を出た日」で数えます

健保に入るまでに出国してもよい条件は、全民健康保險法施行細則の第8条にあります。
「連続して6か月住む、または出国が1回で30日を超えないなら、出国していた日数を引いて、合わせて6か月に達すること」
法律に書かれているのはここまでで、出国していた日数をどう数えるかは書かれていません。そこで健保署の計算例を見ます。
- 9月1日に入国した人が、1月1日から1月5日まで1回出国した。出国していた日数は4日。健保に入れるのは3月1日から4日ずれて、3月5日
1月1日から1月5日を数えると、5日ではなく4日になっています。健保署は、出国していた日数を「台湾に戻った日の日付 − 台湾を出た日の日付」で数えています。台湾を出た日は台湾にいない日、台湾に戻った日は台湾にいる日、という扱いです。健保署の職員向けの資料にも、5月1日に出国して5月10日に戻った人を「出国日数9日」とした例があり、同じ数え方です。
ここで1つ注意があります。法律は「30日を超えない」なので30日ちょうどまで認められますが、健保署の職員向けの資料には「30日未満」と書かれた箇所があります。どちらの読み方でも条件を満たせるように、出国日から29日後の日までに戻ってください。
飛行機が遅れて日付をまたぐこともあるので、ぎりぎりの便は避けてください。
冬休みを丸ごと日本で過ごすと、健保に入れるのが半年遅れます

9月に入学した学生が健保に入れるのは、翌年の3月ごろです。そのあいだに冬休みが入ります。
台湾の大学の冬休みは長めです。国立台湾大学の2026年9月からの学年(115學年度)の行事暦では、冬休みは2026年12月28日から2027年2月19日までで、50日以上あります。大学によって日程が違うので、自分の大学の行事暦を確かめてください。
9月1日に入国した学生で考えます。
- 12月28日に日本へ帰り、1月26日に台湾へ戻った場合: 出国日数は29日です。健保に入れる日は3月1日から29日ずれて、3月30日です
- 12月28日に日本へ帰り、冬休みの最後の2月19日に戻った場合: 出国日数は53日で、30日を超えます。大学の案内では、30日を超えたら最後に台湾へ戻った日から数え直すとされています。この例なら2月19日から数え直し、健保に入れるのは8月19日です
30日を1日でも超えると、入学してから台湾にいた期間が全部数えられなくなります。健保に入れる日が半年近く遅れ、そのあいだは入学のときに入った保険か、自分で入る保険で過ごすことになります。
条件で認められている出国は1回だけです。健保署の職員向けの資料には、2回出国した人について、1回目に台湾へ戻った日から数え直し、2回目の出国の日数をその分ずらした例があります。冬休みに1回帰ったなら、健保に入るまでは次の一時帰国を入れないでください。
健保に入ったあとは、この30日の条件は関係ありません。夏休みに日本へ帰っても、健保に入れる日がずれることはありません。日本に長く帰っているあいだも、居留証を持っていて加入の資格が続く限り、保険料は払い続けます。以前は出国中に保険を止める手続き(停保)がありましたが、2024年12月23日に廃止されました。
何日に戻ればいいかは、戻る日の計算ツールで確かめてください
入国した日と、出国する日を入れると、遅くとも何日に台湾へ戻ればよいかと、健保に入れる日が出ます。戻る日を変えると、30日を超えたときにどうなるかも見られます。一時帰国が2回あるときは、2回とも入れると数え直しのあとの日付が出ます。
この計算ツールは、大学を通して健保に入る留学生向けで、健保署の計算例と同じ数え方で計算しています。最後は大学の担当窓口に確かめてください。大学によっては、居留証を受け取った日から数えると案内しているところもあります。
最短で入るには、健保に入るまで台湾を出ないことです
健保に一番早く入る方法は、次の3つです。
1. 居留ビザを取ってから入国します。 入国した日から数えられます。停留ビザで入国して台湾で居留を申請すると、居留証を受け取るまでの日数だけ遅れます。ビザなしで入国した場合は、台湾で就学の居留に切り替えることはできません。
2. 健保に入るまでは出国しません。 出国した日数の分だけ、健保に入れる日が後ろにずれます。帰るなら1回だけ、29日以内にしてください。
3. 一時帰国するなら、出る前に戻りの便まで決めます。 片道で帰って、日本で戻る日を決めると、30日を超えやすくなります。冬休みの帰省は、往復の便を同時に取ってください。
健保に入るまでの保険の期間も確かめてください。一時帰国で健保に入る日が遅れたときに、その分まで保険が続くかを、出国の予定と一緒に大学の担当窓口で聞いておくと安心です。
日本の健康保険をどうするかは、住民票を残すかどうかで変わります。こちらは台湾留学中、住民票は抜くべきかにまとめました。
よくある質問
Q. 30日は、出国した日を1日目として数えるのですか。
健保署の計算例では、台湾に戻った日の日付から、台湾を出た日の日付を引いた日数で数えています。12月28日に出て1月27日に戻ると30日です。安全を見るなら29日以内にしてください。
Q. 30日を超えてしまったら、どうなりますか。
大学の案内では、台湾に戻った日から数え直すとされています。健保に入れるのは、戻った日の半年後です。それまでのあいだの保険を、大学の担当窓口に相談してください。
Q. 健保の保険料はいくらですか。
学生本人の分は月826台湾ドルで、大学を通して払います。留学にかかるお金の全体は台湾留学の費用にまとめました。
Q. 健保に入ったあとなら、夏休みに長く日本へ帰っても大丈夫ですか。
30日の条件は、健保に入るまでの期間だけの話なので、加入日には関係しません。日本に帰っているあいだも保険料は払い続けます。出国中に保険を止める停保の手続きは、2024年12月23日に廃止されました。
一時帰国の日付は、出る前に決めてください
健保に入る条件そのものは、台湾に住み続けることと、出国は1回・30日までの2つだけです。迷うのは30日の数え方で、答えは「戻った日 − 出た日」です。
冬休みに帰る予定がある人は、今のうちに往復の便を決めて、記事の中の計算ツールで日付を確かめてください。数え直しになると、半年近く自分で保険の面倒を見ることになります。
入学前の準備の全体は台湾の大学に留学するまでの流れに、親が知っておきたいことは保護者向けの記事に書きました。分からないところがあれば、相談してください。

