- 台湾の大学の出願は、高3の秋に始まります。早い大学は9月末、日本の共通テストより前に合格が出る大学もあります
- 入試は筆記試験のない書類選考です。高校の評定・語学の証明・学習計画書などで審査されます
- 語学は、中国語で学ぶならTOCFL(A2が実質の最低ライン)、全英語プログラムなら英語の検定を準備します
- 合格で終わりではありません。ビザの手続きミスで入学が取り消された実例があります
- まず「何年の9月に入学するか」を決めてください。すべての予定は、そこからの逆算で決まります

面談で必ず聞かれる質問があります。「台湾の大学に行くには、何から始めればいいですか?」
実は、台湾の大学の出願は高3の秋に始まります。早い大学は9月末に受付が開き、年内に合格発表まで終わります。つまり、日本の共通テストが始まる前に、台湾の合格を持って年を越せるということです。「高3の冬から考えればいい」と思っていると、その年の出願はほぼ終わっています。
僕はこれまで1,000件以上の進路相談を受けて、年間100名以上を台湾に送り出してきました。準備がスムーズに進んだ子も、締切に間に合わず1年待った子も見てきました。両者を分けたのは、入学から逆算した予定表を最初に作っていたかどうかです。
この記事では、学科選びから渡航まで、やることを6つのフェーズに分けて順番に案内します。日付の実例は、うちのデータベースに入っている2026年9月入学向けの募集要項(115校・269ラウンド分)から出します。
台湾の大学入試は、筆記試験のない書類選考です
台湾の大学に、日本の一般入試のような筆記試験はありません。留学生は、高校の評定・語学力の証明・学習計画書などの書類で審査されます。一発勝負のテストがない代わりに、書類を期限までに揃える段取りがすべてです。
これは日本の受験と両立しやすいという意味でもあります。台湾の出願は秋、日本の受験は冬から春。日程がずれているので、台湾の合格を確保してから日本の受験に向かう生徒も実際にいます。求められる評定や語学の基準は入学条件の記事で詳しく整理しますが、ここでは「段取りの勝負」とだけ覚えてください。
全体像:入学までの6フェーズ
9月入学から逆算すると、やることはこの6つです。

フェーズ1が学科決め、2が語学、3が書類、4が出願、5が合格発表とビザ、6が渡航準備です。理想は高2のうちにフェーズ1〜2を始めることですが、うちの受講生は平均250時間・3ヶ月でTOCFL A2に到達しているので、高3の春からでも秋の出願には間に合います。ここから、フェーズごとに具体的にやることを見ていきます。
フェーズ1:学びたいことから、学科を決める
最初にやるのは大学選びではなく、学科選びです。
台湾には129大学・2,371学科があります。ランキングや知名度から入ると、順位の高い大学に学びたい学科がない、という失敗をします。学びたいことを決めて、それが学べる学科を探して、学科がある大学を並べる。この順番で進めてください。大学の序列感は台湾の大学ランキングの記事で全体像を出したので、あわせて読んでください。
候補がまだ言葉になっていないなら、学科診断で絞るところから。学科ごとの中身は大学一覧で日本語で確認できます。ここでの目標は、志望学科の候補を3つ挙げることです。
フェーズ2:語学の証明を取る
出願書類の中で、一番時間がかかるのが語学の証明です。だから早めに始めます。
進む学科によって、準備する語学が変わります。中国語で学ぶ学科なら、中国語の検定TOCFLです。出願の実質的な最低ラインはA2で、たとえば台湾大学の募集要項も、中国語課程の出願にA2以上の証明を求めています。勉強の始め方から試験の申し込みまではTOCFL完全ガイドにまとめました。
英語だけで卒業できる全英語プログラムなら、TOCFLではなく英語の検定で出願します。目安は私立がB1(英検2級程度)、国立がB2(英検準1級程度)。台湾大学の英語課程はB2以上を明記しています。この2つはまったく別の物なので、志望学科がどちらの課程かを先に確認してください。
うちの受講生は平均250時間・3ヶ月でA2に到達しています。高3の4月に始めれば夏には受験でき、秋の出願に間に合う計算です。ただし試験日は決まっているので、申し込みの締切だけは先に押さえてください。
フェーズ3:書類を揃える
語学と並行して、出願書類を集めます。多くの大学で共通するのは、この5点です。

高校の成績証明書、卒業(見込み)証明書、語学の証明、残高証明、そして学習計画書。残高証明は、留学費用を払える資金があることを銀行の書類で示すもので、たとえば台湾大学はNT$20万(およそ100万円)相当・発行3ヶ月以内の残高証明を求めています。学習計画書は「なぜこの学科で何を学びたいか」を書く書類で、書類選考の中で一番差がつくところです。書き方は学習計画書の記事で扱います。
注意してほしいのは、発行に時間がかかる書類から先に動くことです。成績証明書は学校の発行に日数がかかり、残高証明は銀行の営業日に縛られます。締切の1週間前に集め始めるのでは間に合いません。大学ごとの細かい違いは出願書類一覧の記事で整理します。
フェーズ4:出願する(高3の秋〜冬)
ここが本番です。台湾の大学の出願は「梯次(ていじ)」と呼ばれるラウンド制で、同じ大学が年に複数回受付をします。
2026年9月入学向けでは、一番早い政治大学が9月24日に受付を始め、10月16日に締め切りました。台湾大学の第1ラウンドは10月1日〜11月13日。多くの大学は年明け以降も第2・第3ラウンドを開きますが、人気の学科はラウンドが早いほど枠が多いのが実態です。この日付は年度ごとに変わるので、志望校が決まったら必ず最新の募集要項で確認してください。大学ごとの出願期間は大学一覧の各大学ページに載せています。
出願先は、1校1学科に絞らないでください。うちでは2学科以上の併願を前提に出願先を組みます。実際、うちの合格率100%という数字は「2学科以上に出願した生徒」の実績です。1つに絞るのは、受験機会を自分から捨てる選び方です。
そして、僕自身の失敗を書いておきます。僕は高校時代、エージェントをつけずに一人で出願して、3〜4校の締切に間に合いませんでした。締切管理を甘く見て、選択肢を自分で減らしたんです。誰かに答え合わせを頼める相手を見つけるか、少なくとも締切の一覧表だけは必ず作ってください。自力でやるか併走を頼むかの判断材料はエージェントの選び方の記事に書きました。
フェーズ5:合格発表からビザまで。合格で終わりではありません
発表は早い大学だと年内です。2026年入学向けでは、政治大学の第1ラウンドが11月28日、清華大学が12月31日、台湾大学は1月23日に発表されました。日本の受験シーズンが本格化する前に、進路が一つ確定する。これが台湾留学の大きな安心材料です。
ただし、はっきり言っておきます。合格は、手続きの終わりではありません。 合格後には、入学の意思確認、学生ビザの申請、健康診断が続きます。
実際にあった話です。サマーキャンプに参加したあと、親戚を頼って自力で出願した子が、大学に合格しました。ところがビザの手続きで問題が起き、入学が取り消され、翌年もう一度出願し直して1年遅れで入学しました。合格していたのに、です。ビザの手順と必要書類はビザ申請ガイドの記事で説明しますが、ここでは「合格発表のあとにも締切のある手続きが続く」ことを覚えておいてください。
フェーズ6:渡航準備。入学前に、一度台湾へ行ってください
うちで見てきた中で、1年目にリタイアする子の最大の共通点は、入学直前に初めて台湾に行ったことです。理由ははっきりしています。直前の初渡航だと、「初めての海外生活」と「初めての大学生活」という2つの大きな変化が、同じ日に一気に始まります。どちらか片方なら耐えられる負荷も、2つ同時だと処理しきれません。これが1年目リタイアの正体です。
だから、入学前に一度、台湾に行ってください。サマーキャンプでも、家族旅行でも、数日の下見でもかまいません。「台湾で生活する自分」を一度体験しておくだけで、入学後の負荷が半分になります。逆に、2〜3年目まで進んだ子の中退は、ほとんど聞きません。
住まいは、初年度は寮をおすすめしています。月1〜2万円で入れて、生活の立ち上げが圧倒的に楽だからです。費用の全体像は費用ガイドにまとめました。
ロードマップで失敗しないための、3つの確認
面談で実際に確認している中から、自分だけでできる3つを紹介します。紙に書いてください。頭の中だけでやらないでください。

確認1. 何年の9月に入学するか、決めましたか。
「いつか行きたい」のままでは、どの締切も自分ごとになりません。入学年を決めた瞬間に、語学・書類・出願の締切がすべて逆算で決まります。
確認2. 志望校の出願ラウンドと締切を、実データで書き出しましたか。
志望学科の候補3つについて、出願期間・発表日・必要書類を一覧表にしてください。大学一覧の各大学ページで確認できます。
確認3. 合格後の手続き(ビザ・残高証明・健康診断)まで、予定に入れましたか。
出願までで止まっている予定表では足りません。ビザで入学を失った実例があることを、思い出してください。
よくある質問
Q. いつから準備を始めればいいですか。
理想は高2のうちです。学科選びと中国語に時間をかけられます。ただし高3の春からでも、語学3ヶ月+夏に書類+秋に出願で間に合います。動き出しが遅いほどラウンドの早い大学を諦めることになるので、迷っている時間だけがもったいないです。
Q. 日本の大学と併願できますか。
できます。台湾の出願は秋、発表は早ければ年内。日本の受験日程とずれているので、台湾の合格を持ってから日本の受験に向かえます。実際にそうした生徒もいます。
Q. 学力に自信がなくても出願できますか。
筆記試験はなく、評定・語学・学習計画書で審査されます。うちから半導体プログラムに出願して国立大学に合格した12名の中には、評定平均2.8の子もいました。学力よりも、締切までに書類を揃える段取りが合否を分けます。
Q. 費用はどのくらいかかりますか。
学費は年およそ50万円、寮暮らしなら4年間の総額でおよそ500万円です。日本の私立大学+一人暮らしのおよそ半分に収まります。内訳は費用ガイドで全部公開しています。
Q. 通信制高校からでも行けますか。
行けます。出願に使う書類が少し変わるだけです。詳しくは通信制からの出願の記事で説明します。
「いつか」を「何年の9月」に変えるところから
ここまで読んで、やることの多さに少しひるんだかもしれません。でも、思い出してください。どのフェーズも、やること自体は難しくありません。難しいのは、締切に間に合わせることだけです。
僕の同級生には、台湾に興味を持ちながら結局動かなかった子が何人もいます。彼らを止めたのは、「いつ行くか」を決めなかったことでした。入学年が決まらなければ、締切は永遠に他人事のままです。
台湾留学101センターでは、LINEで無料相談を受けています。あなたの学年と語学の現在地から、どの年の9月入学が現実的か、そこから逆算した予定表を一緒に作るところからお手伝いします。深く話を聞いた上で「この人には価値を提供できる」と思えたときにだけ、提案をします。合わないと判断したら、無理には勧めません。
まずは、入学の年を一緒に決めるところから。相談してください。
