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台湾留学101センター
半導体・キャリア

台湾の大学で半導体を学ぶ【2026年版】|TSMC・国立台北科技大学の日本人向け半導体プログラムは学費ゼロ

台湾の大学で半導体を学ぶ道を解説します。TSMCの島・台湾には、国立台北科技大学と国立雲林科技大学に日本人学生を主な対象にした半導体プログラムが3つあり、募集枠は年100名規模。学費4年間免除・毎月の給付型奨学金つきで、うちからは2年で18名が合格しています。キャリアと年収の目安まで、年間100名以上を送り出す専門家が正直にお話しします。

新良 理輝約8分
この記事の要点
  • 実は台湾には、日本人学生を主な対象にした半導体の学士プログラムが3つあり、募集枠は年100名規模です
  • 学費が4年間免除され、毎月約5万円の給付型奨学金を受けた実績があります(成績など所定条件つき・途中でやめなければ返済不要)
  • 世界の半導体製造の中心は台湾です。TSMCの熊本進出で、日本語と中国語を話せる半導体人材の需要が生まれています
  • 半導体の仕事は研究者だけの世界ではありません。プロセス・設備・品質・研究開発と、入り口は広いです
  • まず特別プログラム一覧で、專班の実データ(募集枠・言語・学位)を眺めるところから始めてください
台湾の大学で半導体を学ぶ【2026年版】TSMC・国立台北科技大学の日本人向け半導体プログラムは学費ゼロ(記事サムネイル)|台湾留学101センター

「ニュースでTSMCをよく見るけど、普通の高校生の進路に関係あるんですか?」と面談で聞かれることが増えました。

実は、台湾には日本人学生を主な対象にした半導体の学士プログラム(專班)が3つあって、募集枠は合わせて年100名規模あります。国立大学で、学費は4年間免除。成績条件を満たせば毎月約5万円の給付型奨学金まで出ます。日本の高校生のために用意された「学費ゼロで半導体を学ぶ枠」が、台湾に毎年100人分ある。 これを知っている高校生も保護者も、ほとんどいません。

僕はこれまで1,000件以上の進路相談を受けてきました。うちから半導体プログラムに出願した生徒は、この2年で国立雲林科技大学に14名、国立台北科技大学(以下、北科大)に4名、出願した全員が合格しています。この記事では、その現場から見えている「台湾で半導体を学ぶ」という選択肢の全体像を、いいことも大変なことも含めて案内します。

世界の半導体は、台湾に集まっています

半導体は、スマートフォン・自動車・AIサーバー・医療機器まで、現代のほぼすべてのデジタル機器を動かす部品です。そして、その最先端の製造を一手に引き受けているのが台湾のTSMCです。

そのTSMCが熊本に工場を建てたことで、日本国内に新しい需要が生まれました。日本語と中国語の両方を話せて、半導体が分かる人材です。ところが、この条件を満たす人は日本にほとんどいません。英語を話せる日本人が約20万人、中国語は約3万人、両方話せる人は1億人のうち約5,000人しかいないからです。

つまり、台湾で半導体を学んだ日本人は、「技術」と「言語」の2つの希少性を同時に持って卒業することになります。産業そのものの深掘りは進路として見る台湾半導体の記事に譲って、この記事では進路としての中身に絞ります。

半導体の仕事は、「チップを作る研究者」だけではありません

「半導体って、理系の天才がやる仕事じゃないんですか」という反応をよく受けます。ここは誤解が大きいところです。

半導体産業は、チップの設計から製造、検査、そして装置・材料の供給まで、長い流れでできています。その中の仕事も、製造条件を考えるプロセスエンジニア、精密装置を支える設備エンジニア、良品率を高める品質・歩留まり管理、次世代技術を生む研究開発と、性格の違う役割に分かれています。

半導体産業の流れ(設計→製造→検査→装置・材料)と主な4職種=プロセスエンジニア・設備エンジニア・品質/歩留まり管理・研究開発。それぞれ向いている人のタイプつき(図解)
半導体産業の流れと主な職種。「作る人」だけの世界ではない

装置いじりが好きな人、コツコツ改善するのが得意な人、実験が好きな人。それぞれに入り口があります。「天才の世界」と思って最初から外すのは、早すぎる決めつけです。

日本人向けの半導体專班が、学費ゼロ+毎月給付で存在します

ここが、この記事で一番持ち帰ってほしいところです。

台湾の大学には「專班(せんぱん)」と呼ばれる、特定の対象に向けて用意された特別プログラムがあります。半導体の学士專班は現在3つ。国立台北科技大学の「半導体プロセスと装置」学士プログラム(英語授業・募集30名)、国立雲林科技大学の日本人向け半導体人材育成プログラム(4年制・募集40名)、同じく雲林科技の2年間新型コース(募集30名)です。

日本人学生を主な対象にした半導体專班3つの比較=国立台北科技大学「半導体プロセスと装置」学士プログラム(英語・30名・学費全額免除+上位12名は月1万元)/国立雲林科技大学 日本人向け半導体人材育成プログラム4年制(中国語・40名・全額免除+月約5万円の給付)/同 2年間新型コース(中国語・30名・同条件)。台湾留学101センターからの出願はいずれも全員合格(図解)
日本人学生を主な対象にした半導体專班のスペック

たとえば北科大のプログラムは、合格者30名全員が学費全額免除です。そのうえで合格時の総合評価の順位により、上位12名(Aランク)は月1万元(約5万円)、13位から30位(Bランク)は月6,000元(約3万円)の給付型奨学金が出ます。雲林科技の2つのプログラムも同じ条件で、うちから合格した14名は全員が学費免除と月約5万円の給付を受けました。4年制なら1人あたり総額でおよそ450万円の奨学金です。

ただし、免除の対象は授業料・雑費で、寮費・保険料・PC代などは別に必要です。給付型といっても、自分の都合で途中でやめたり、成績不振で退学になったりすると、免除された学費を含めて全額の返還を求められます。「もらえるお金」ではなく「卒業まで走り切る前提で預かるお金」です。給付の金額と条件は年度の募集要項で変わります。プログラムの中身は雲林科技×TSMCプログラムの記事と北科大の半導体課程の記事で個別に深掘りします。最新の募集枠と言語は特別プログラム一覧でいつでも確認できます。

卒業後の道と、年収の目安

卒業後の進路は、大きく4つあります。台湾の半導体企業、TSMC熊本など日本国内の拠点、装置・材料メーカー、そして大学院での研究です。

台湾の半導体專班を卒業した後の4つの道=台湾の半導体企業・日本国内の半導体拠点・装置/材料メーカー・大学院での研究。台湾の半導体業界で語られる年収の水準は学士新卒でおよそ600万円、5年目前後で1,000万円(図解)
半導体專班卒業後の4つの道と年収の目安

TSMCを含む台湾半導体業界では、学士新卒でおよそ600万円、5年目前後で年収1,000万円という水準が語られます。ただし、これは業界の目安であって、職種・学位・業績賞与・勤務地・為替で変わります。

だから、就職や年収を保証するとは言いません。言えるのは、年収1,000万円を本気で狙えるチャンスのある業界に、18歳から最短距離で入っていけるということです。TSMCへの就職ルートの現実はTSMCで働くキャリアの記事で扱います。

正直に言います。楽して稼げる道ではありません

ここまで読んで、良い話すぎると感じたかもしれません。

北科大のプログラムは、専門科目を英語で学びます。半導体は物理と数学の上に成り立つ分野なので、理系科目から逃げることはできません。給付奨学金には成績条件があるので、入学してからも勉強し続ける前提のプログラムです。「学費ゼロだから楽」ではなく、「本気で学ぶ人の負担をゼロに近づける」仕組みだと理解してください。

一方で、入り口の門は日本の理系受験より開いています。台湾の入試は筆記試験のない書類選考で、うちから半導体專班に出願して国立大学に受かった生徒の中には、評定平均2.8の子もいました。問われるのは偏差値ではなく、書類と語学を期限までに揃える段取りです。出願までの手順は進学ロードマップにまとめました。

半導体進学で失敗しないための、3つの確認

面談で実際に確認している中から、自分だけでできる3つを紹介します。紙に書いてください。頭の中だけでやらないでください。

半導体進学で失敗しないための3つの確認=①興味のある半導体の仕事を職種で言えるか②專班の募集要項を実データで確認したか③出願時期(2027年秋入学の一次募集は2026年11月15日締切)から逆算した予定表を作ったか(図解)
半導体進学の3つの確認

確認1. 「半導体のどの仕事」に興味があるか、職種で言えますか。
「半導体に興味がある」では、学習計画書が書けません。装置を支えたいのか、良品率を上げたいのか、研究したいのか。職種マップから1つ選んでください。

確認2. 專班の募集要項を、実データで確認しましたか。
募集枠・授業の言語・語学要件・給付の条件。特別プログラム一覧から志望プログラムのページに進んで、要項の数字を書き出してください。

確認3. 出願時期から逆算した予定表を作りましたか。
專班も一般の出願と同じく締切がすべてです。北科大のプログラムは、2027年秋入学の一次募集が2026年11月15日締切、二次募集が2027年3月31日締切です。語学証明の取得から逆算する手順は進学ロードマップの6フェーズの通りです。

よくある質問

Q. 理系が得意じゃないと無理ですか。
専門科目は物理・数学の素養が要ります。ただし入試は書類選考なので、「今の偏差値」で門前払いされることはありません。高校の勉強をやり直す覚悟と、職種への具体的な興味があるかで判断してください。

Q. 中国語がゼロでも出願できますか。
北科大のプログラムは英語授業なので、英語の検定で出願できます。中国語は入学後に生活の中で伸ばせます。雲林科技のプログラムは中国語授業なので、TOCFLの準備が必要です。どちらが合うかはプログラム個別記事で確認してください。

Q. TSMCに就職できる保証はありますか。
ありません。うちは「TSMCに入れます」という約束はしません。準備できるのは、TSMCを含む半導体業界の採用の入り口に、技術と言語の両方を持って立つところまでです。

Q. 学費がゼロなら、費用は全くかからないのですか。
かかります。免除は授業料・雑費で、寮費・食費・渡航費・保険などは必要です。北科大のプログラムは、合格後の入学手続きで入学保証金(1万2,000元)も納めます。それでも寮暮らしなら生活費は月5〜6万円に収まります。全体像は費用ガイドで公開しています。

「TSMCの島」で学んだ日本人は、まだ少ない

日本語と中国語を話せて半導体が分かる人材は、日本に5,000人規模しかいません。その入り口になる專班の枠も、年100名規模です。今この道を選ぶ人は、それだけで希少な側に立ちます。

この2年でこの枠に合格したうちの18名も、特別な理系エリートだったわけではありません。評定2.8の子もいれば、中国語ゼロから始めた子もいます。職種を選んで、要項の数字を確かめて、締切までに書類を出した。やったことは、それだけです。

もちろん、半導体がすべての人に合う進路だとは思っていません。職種の話を聞いて心が動かないなら、選ばなくていい道です。でも「知らなかったから選べなかった」だけは、もったいなさすぎます。

台湾留学101センターでは、LINEで無料相談を受けています。あなたの成績と語学の現在地から、どの專班が現実的か、給付条件まで含めて一緒に確認するところからお手伝いします。深く話を聞いた上で「この人には価値を提供できる」と思えたときにだけ、提案をします。合わないと判断したら、無理には勧めません。

まずは、職種マップから興味のある仕事を1つ選ぶところから。相談してください。

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