対談の様子は動画でもご覧いただけます(約13分)
台湾留学をお母さんに相談したら、返ってきたのは猛反対でした。
「1週間や2週間の留学ならいいけど、4年間はリスクが大きくない?」。
それでも行きたかった4期生のみおさんは、自分でパワーポイントの資料を作り、台湾留学のメリットを親にプレゼンしました。
そこから中国語をゼロから始めて、約半年でTOCFL B1。
台湾国内でトップとされる国立台湾大学の化学工程学系に合格します。
ところが合格を伝えたお父さんの第一声は、「それは詐欺じゃないか」でした。
反対から合格までの1年を、本人との対談でお届けします。
この記事でわかること
まずは自己紹介から。
みおさんが進むのは、台湾国内でトップとされる大学の化学工程学系です。
今日は4期生のみおさんに来ていただきました。
よろしくお願いいたします。
さっそくですが、お名前と、進学する大学、そこで何を学ぶのかを教えてもらえますか?
みおです。
台湾大学の化学工程学系に行きます。
そこでは何を学ぶんですか?
化学の知識を深める学科です。
将来とは、どういうふうに結びついていくの?
化粧品の開発をやりたいです。
素晴らしいですね。
台湾大学は、日本でいえば東京大学がトップであるように、台湾で1番トップクラスの大学です。
いや、すごいね。
国立台湾大学は、台湾国内で最難関とされる総合大学です。
みおさんが進む化学工程学系は、日本の大学でいう化学工学にあたる学科です。
日本の高校生にとって「東大に行きます」と同じ重さの進路であることは、あまり知られていません。
中国語をゼロから始めた高校生が、1年後にその大学の理系学科に進む。
これが実際に起きているということを、まず知ってもらえたらと思います。
みおさんが台湾を知ったのは、高校1年生から2年生に上がる春でした。
ただ、そこからすぐ進学を決めたわけではありません。
台湾留学を知る前は、どういう進路を目指していたの?
もともと日本の大学に行く予定で、受験勉強もちょっと始めていたんです。
でも高校3年生の4月、5月ごろにスタッフさんから「台湾留学っていう選択肢もあるよ」と言われて。
そのとき、本当に日本の大学に進んでいいのかな、もっと将来につながるような選択がしたいなと思っていたので、ちょっと視野に入れてみようかなと思って調べてみました。
なるほど。
もともとは、高校1年生から2年生に上がる春のキャンプに参加してくれたんだよね。
そこでスタッフとも仲良くなって、そのスタッフから連絡があったという流れなんだね。
台湾留学について初めて知ったのは、その春のキャンプのときかな。
キャンプのことは、どうやって知ったの?
お母さんが広告を見て、「こういうのもあるけど、行ってみる?」と言ってくれたので、行きたいと思って参加しました。
実際に行ってみて、どうだった?
楽しかったです。
この記事のハイライトのひとつです。
台湾に行きたいと最初に伝えた相手は、キャンプを勧めてくれたお母さんでした。
台湾留学のことを知ったときは、正直どう思っていました?
知ったときは、まずお母さんに最初に話したんですけど、めっちゃ反対されました。
「1週間、2週間の留学ならいいけど、4年行くのはリスク大きくない?」と。
「日本の大学に行って、交換留学で行ったほうがいいんじゃない?」と言われました。
でも1回行きたいと思ったので、パワポを作って、メリットを説明しました。
え。
自分で資料をまとめて、親にプレゼンしたの?
そうです。
すごいね。
それをちゃんと見せたら、どうだった?
見せても、お母さんはあんまりという感じでした。
でもお父さんが「やるって決めたんだったら、いいんじゃない」と言ってくれて。
そこからはお父さんと一緒に説明するようになりました。
お父さんも仲間に入れたんだ。
いいね。
じゃあ、お父さんには刺さったんだ、そのプレゼンが。
はい。
反対されて引き下がるのではなく、
パワーポイントを作って、親にプレゼンした。
保護者の反対は、台湾留学を検討するご家庭でいちばん多い分岐点です。
ここで大事なのは、反対の中身を正確に読むことでした。
お母さんが心配していたのは台湾そのものではなく、「4年間」という期間のリスクです。
みおさんはそこに、感情ではなく資料で答えました。
お子さんが自分で調べて説明する姿ほど、保護者にとって強い材料はありません。
親を説得したあとも、不安が消えたわけではありませんでした。
自分でしっかり資料をまとめるくらい、行きたいと強く思っていたと思うけれど、それ以上に不安も多分あったよね。
何がいちばん不安だった?
やっぱり喋れなかったことです。
春のキャンプで、本当にちょっとしか分からなかったので、それなのに授業が中国語なのは厳しいな、と思いました。
そうだよね。
まったくやっていなかったもんね。
迷いもあったと思うけれど、本当に台湾留学に行くと決めたきっかけは?
いちばんは、やっぱり春のキャンプに来たことです。
もし行ったことがなかったら、急に台湾と言われても難しかった?
行っていなかったら、多分なかったです。
ご飯とかもそうですし、気温とかも分からなかったので。
沖縄と同じような感じだったから、いいなと思いました。
きささんの回にも共通しますが、決断の最後を押すのは、資料ではなく現地の体感です。
ご飯が口に合うか、気候が耐えられるか。
この2つは、行った人だけが答えを持っています。
沖縄出身のみおさんにとって、台湾の気候が「知っている暑さ」だったことは、想像以上に大きな安心材料でした。
高校3年生の4月から中国語をスタート。
夏は1ヶ月台湾で、9月からはまたオンラインで、高校卒業後は現地で学んでいます。
みおさんの場合は、高3の4月からオンラインで授業を受けて、夏は1ヶ月台湾に来て、9月からはまたオンライン。
高校を卒業してから入学までのこの期間は、また台湾で勉強しているわけだけれど、中国語の授業はどんな感じで進んでいった?
最初は週4回、3時間ずつやっていて、発音から始めました。
最初は本当に、みんな中国語を理解できないので、先生が英語や日本語の補足を入れてくれて。
みんなが理解できていなさそうだなと思ったら、分かるまで説明してくれたり、類語や対義語も教えてくれたので、分かりやすかったです。
本格的に始めたのが高3の4月だから、本当にほとんど分からない状態から、今で約1年ちょっと。
中国語は伸びましたか?
伸びたと思います。
TOCFLでいうと、どのくらい持っているんだっけ?
B1を持っています。
取ったのは、その年の冬です。
ほぼゼロから始めて、半年くらいでB1。
英語でいえば英検2級レベルだから、めちゃくちゃすごいよね。
そこからまた半年経っているから、受けていないだけで、B2、C1くらいの実力はあると思う。
機会があったら、入学前にもう1回受けてほしいね。
実際にここに住んでいるわけだけれど、どういうときに、自分の中国語が伸びているなと実感する?
買い物をするときに喋ると、伝わっているなと思います。
注文も、普通にできます。
台湾人の友達はできた?
できました。
この前は、6人くらいで一緒にテニスとバドミントンをしました。
いいね。
スポーツをやっていると、そこで使う中国語も覚えたりする?
はい、覚えました。
大変だったのは、中国語そのものよりも、周りと違う道を歩いている状態そのものでした。
話せるようになった実感はあると思うけれど、もちろん大変なところもあったよね。
何がいちばん大変だった?
周りのみんなが受験勉強をしていたときに、私たちはTOCFLの勉強をしないといけなかったので、違うようなプレッシャーを感じていました。
あとは、中国語だけを勉強するのが結構きつかったです。
他の教科も混ぜてやるのはできるけど、1個に絞るのは疲れます。
逆に、ずっとこれだけをやらないといけないからね。
しかも進むのは理系だから、中国語だけじゃなくて理系の勉強もやらないといけない。
両立は難しいよね。
それはどうやって乗り越えられたの?
今日は休みたいなと思っているときでも、みんながちゃんと頑張っていたからです。
あと、オンラインのとき、みんな画面の背景を変えたりしていたんです。
それも結構楽しみでした。
高校ではみんな日本の大学を受けるけれど、自分にはオンラインの仲間たちがいたんだね。
背景を変えるって、どんなふうに?
宇宙人が出てくるやつとかがあって、今日は何かな、と思って見ていました。
周りが受験勉強をしている中で、一人だけ違う勉強をする。
それを支えたのは、画面の向こうにいた仲間だった。
台湾進学でいちばん見落とされがちなのが、この「孤独」という負荷です。
教室の全員が同じ受験に向かっている中で、一人だけ別の試験に向かう。
学力より先に、気持ちのほうが折れやすい。
だから私たちはオンラインでも学年全体を一つのクラスにしています。
背景を変えて笑い合う程度のことが、実際には出席率を支えています。
出願に直結するTOCFL。
みおさんが実際にやっていた対策は、とても具体的でした。
大学に出願するにあたってTOCFLはとても大事だけれど、それはどういうふうに勉強していたの?
教科書の1と2のときは、リッキーさんのYouTubeの動画を見ていました。
TOCFLの勉強をするときは、過去問をAIに解説してもらったり、まとめてもらったりしていました。
文法動画だね。
教科書の全文法で200本くらい動画があるけれど、それを見てくれていたんだね。
AIには、どんなふうに指示を出すの?
過去問の写真を撮って送って、「これの要点と、文法の解説と、番号ごとの解説をして」と言うと、してくれます。
それが結構分かりやすいです。
4月から、まったくゼロの状態で始めて、今は結構話せるようになったと思うけれど、その時と比べて、自分の中で考え方が変わった点はある?
台湾に来たら自由だなと思いました。
授業中に座って寝ている人もいたりして。
日本ではダメなことも、台湾だったらオッケーなことが多いから、自由でいいな、過ごしやすいなと思いました。
過去問を撮って、要点と文法解説を出してもらう。
この使い方が優れているのは、AIに答えを出させるのではなく、解説役をさせている点です。
独学の弱点は、間違えた理由が分からないまま次に進んでしまうことにあります。
そこだけをAIに埋めさせて、あとは授業と過去問で回す。
教材を増やすより、はるかに効きます。
出願する大学はどう決めたのか。
そして、あの猛反対から始まった挑戦の結果が届いた日のことを聞きました。
中国語を勉強しながら、並行して大学の出願も進めていたと思うけれど、出願校はどういうふうに決めていったの?
スタッフさんが一緒に、こういう大学もあるよ、こういう大学もあるよと教えてくれました。
シラバスの見方も分からなかったんですけど、それも「こういう感じの言葉なんだよ」と丁寧に教えてくれたので、いちばん合うところを選びました。
大学が決まったら、次は出願書類の準備だよね。
書類がめちゃくちゃ多くて大変だったと思うけれど、それはどういうふうに進めていた?
分からないところはスタッフさんに聞いて、あとは高校の先生にも結構手伝ってもらいました。
英語の先生にも見てもらって、いろいろ頑張りました。
将来のことについても迷っていた時期だったと思うけれど、やりたいことはどうやって決まっていったの?
決まっていなかったんですけど、スタッフさんと喋っているときに、何が好きかをちゃんと考えて。
こういうことが好きだから、こういう将来がいいな、とだんだん分かるようになってきて、この学科にしようと決めました。
面談を通して、自分の夢もだんだん固まっていったんだね。
合格が決まったのは、いつごろだった?
塾にいたときでした。
ちょうど化学をやっていました。
化学を勉強しているときに、化学工程学系の合格が来たんだ。
それがすごいよね。
台湾の国立大学、特に台湾大学は結構早くて、10月ごろに出願して、11月には結果が分かるんだよね。
合格が出たときは、どうだった?
「え」と思って、リッキーさんに「これって受かってるんですか?」と連絡しました。
ちょっと半信半疑でね。
そうしたらリッキーさんが「受かってるよ」と言ってくれて、「え」と思って。
それでお母さんに電話したら「おめでとう」と言ってくれて。
お父さんにも言ったんですけど、お父さんは「これは詐欺じゃないか」と。
それは嘘だ、と。
信じていなかったんだ。
本当に信じませんでした。
まさかだと思ったんだと思います。
私も友達にLINEして、「これ本当かな、嘘でしょ」と言っていました。
台湾人の友達にも「これが来たんだけど、嘘メールだよね」と聞いたら、「いや、これ本当だと思うけど」と言われて。
それでも信じませんでした。
合格を伝えたお父さんの第一声は、「それは詐欺じゃないか」だった。
笑い話のようですが、この反応こそが、台湾のトップ大学がまだ日本でほとんど知られていないことの証拠です。
台湾大学は、台湾国内では最難関の大学です。
知られていないだけで、狙える。
情報の非対称そのものが、今この進路のいちばん大きな価値になっています。
最後に、進学先を決めた理由、4年間の目標、そして迷っている人への言葉を聞きました。
これから通う台湾大学は、どんな大学ですか?
とてもレベルが高いところで、留学生もいちばん多いです。
ついていけないと思うんですけど、頑張ってみようかなと思っています。
頑張って。
台湾大学のこの学科にした、いちばんの決め手は何ですか?
成功大学と迷っていたんですけど、やっぱり台北にあるから、立地もいいなと思って。
あとは留学生が多いから、友達もたくさんできるだろうなと思って、そこにしました。
これから4年間、大学に通うわけだけれど、4年間でやりたいことや目標はありますか?
勉強を頑張るのはもちろんですけど、自分の好きなところをたくさん見つけていけたらいいなと思っています。
台湾国内の高雄とか、台中にも行ってみたいです。
最後の質問です。
みおさんも台湾に行くかどうか、結構迷っていたところがあったと思う。
今これを見ている人にも、興味はあるけれど一歩を踏み出せないという人が多いと思うので、その人たちにメッセージをお願いします。
本当にめっちゃ悩んで決めたことなんですけど、今の時点では、全然失敗だなと思っていません。
もしチャンスがあるんだったら、やってみてもいいかなと思います。
そうだよね。
急に「4年間大学に行ってください」と言われたら難しいと思うけれど、みおさんが台湾留学を決めたきっかけになった春休みのキャンプのように、一度行ってみるというのもすごくいいよね。
迷っている人がいたら、旅行でもキャンプでもいいので、ぜひみおさんと同じようにチャレンジしてみてください。
めっちゃ悩んで決めたけれど、今の時点では、
全然失敗だとは思っていない。
お母さんが心配していたのは台湾ではなく「4年間」。資料で説明したら、まずお父さんが動いた。
中国語ゼロのスタートから約半年でTOCFL B1。そのまま台湾のトップ大学に合格している。
周りが受験勉強をする中で一人だけ違う試験に向かう。それを支えるのは同じ道を進む仲間。
過去問を撮って要点と文法解説を出させる。独学で穴になる「間違えた理由」だけを埋める。
面談で「何が好きか」を言葉にしていくうちに、進む学科と将来が固まった。
みおさんのような合格を、あなたやお子さんにも。
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